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ストレスかしら?

会社の経営者から次のような質問うける。「私は毎日まことに多忙に過ごしているが格別具合の悪い所はない。ストレスなどは気持ちのもちようだ」と。 まさに其の通りである、以前米国で会社の重役は忙しいし、責任をおわされ ているからストレスによる体の不調を訴える人が多いのではないか?、と調べたことがある。ところが会社の経営が順調の時はどんなに忙しくてもストレス症状を見せなかった。つまり血圧上昇とか胃潰瘍などは見られなかったのである。それどころか忙しさも楽しんでいるような様子さえ見えた。しかし会社の経営、社内の人間関係に問題が起こると急にストレスの症状を呈す人が多くなったのである。このことはサル山のサルを見るとよく分かる。サルにはボスザルというのがいて、これはメスの支配、食物、住居のいずれも自分で勝手に決められる。これに対し、下っ端のサルは食物を食べていても、ときにボスにとられてしまったり、メスも支配出来ず、好きなメスをボスに取られたりする。このような時には、ストレスはすべて下っ端のサルに集中する。ところがボスが弱ってきて政権交代の時期が来ると若手の元気のよいサルがこれに挑戦する。何匹かの若手ザルはときには協力してボスザルを追い払ったりするのであるが、そのあとすぐ若手ザルの間に戦国時代が来る。あるサルは数日間ボスの地位を奪うが又すぐ奪いかえされたりする。こうなると一時的にボスザルになったサルにストレスのすべての病状が現れる。もっと具体的な例としてはネズミに電気ショックを与える実験がある。この時ネズミに電気ショックを与える直前にブザーを聞かせ、ネズミに予告を与えると、予告なしにショックを受けたものよりストレスの症状が少ない。このような研究からストレスが人間に病を起こすのは未来に不安を持った時に最もよく起こる。つまり、人間は不安を持つと血圧も上がり、動脈硬化にもなることが分かってきたのである。956年アリゾナ州のナホバインディアン居住区で近代医学が健康にどんな影響を与えるかの徹底研究がなされた。この地はその時まで全く孤立した地域であった。6年後の調査ではたしかに結核の死亡は減少したが、全体として、感染症を除くと余命(寿命)にはあまり変化がなかったということである。この中で乳児の死亡率は確かに減少した。しかし驚くことにこの地域以外で、この研究の対象として選ばれた未開発地域でも乳児の死亡率は減少してしまった。つまりこの地域へ行けば必ず治療を受けられ、治してもらえるという気持ちが病気を減少させたのである。このことは我々の病の多くが治療に対する不安から生じているということを示すものではないかと思われる。「海外旅行が盛んだが、旅行の在り方に問題はないだろうか?。日本の気候環境と大きく異なる場所へ出かけることは、身体に急激な環境適応を強いることを意味するからである。最近人気のオーストラリア。時差が気にならないことも手伝って1週間ばかりの短気旅行が目白押しだ。しかし、季節は全く逆。8月の平均気温は東京の27℃に対して、シドニーではわずか10℃。身体は急激な環境変化に対応するが、ようやく慣れ初めた頃には帰国。海外で「休暇」という意図とは逆に、身体はストレスを重ねることになる。欧米のビジネスマンは、海外出張中に身体の調整のために休暇が与えられるという。イギリスのある商社マンは、東京での2週間のビジネスの後で香港で2日は何もしない。異なる環境による身体のストレスを和らげる為の休暇だそうだ。いずれにせよ、身体に負担をかける急激な環境の変化は避けるのが望ましい。疲れて帰ってくる旅行でなく、本当の意味での休暇を求めるべきである。
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